フラット35の団体信用生命保険の利用者負担が無くなりました
一般的に住宅ローンを借りるときには、団体信用生命保険(団信)に加入することになります。団信とは、住宅ローンの利用者が死亡したり、高度障害状態になったときに、その時点の住宅ローン残高と同額の保険金が支払われて、住宅ローンは完済される仕組みです。
団信の保険料は、住宅ローンの利用者側が支払うケースと、融資を受ける金融機関(銀行、信用金庫など)が負担するケースの両方があります。全期間固定金利型の住宅ローンである「フラット35」では、団信の加入費用を別途支払いとしています(団信加入は任意条件)。そして利用者は、毎年1回、1年分の団信の加入費用を支払う必要があります。一般的には、財形持ち家融資でも、団信の加入料は別途支払うことになっています。
ところが、フラット35の団信については、2017年10月1日の新規申し込み分から、利用者側は毎年加入費用を支払わなくてよい仕組みに変わります。さらに団信の保障内容に変更が加えられます。10月以降の団信の保障内容を次のようになります。
新機構団信制度は2つの種類があります。ひとつが、死亡保障と身体障害を保障する「新機構団信」で、もう一つが死亡保障と身体障害に加えて、介護保障や3大疾病保障も対象とする「新3大疾病付機構団信」です。従来の機構団信特約制度では、所定の高度障害状態を保障の対象としていましたが、新機構団信では、高度障害状態に加えて、所定の身体障害でも保障が受けられるようになります。
新機構団信は、申し込み時点で70歳未満の人が利用できて、加入者費用の負担はなくなります。新3大疾病付機構団信は、申し込み時点で51歳未満の人が利用でき、こちらは新機構団信付フラット35の金利に、0.24%が上乗せされます。3大疾病などの保障にかかる費用については、利用者負担になるわけです。
民間の銀行で利用する団信は、死亡保障と高度障害保障の分の保険料は、銀行側が負担してくれるのが一般的です。ただし3大疾病保障などの疾病保障分については、機構団信のように利用者側が費用を負担する仕組みになっています。
ただし住信SBIネット銀行のように、全疾病を保障するタイプの団信についても、費用はすべて銀行負担というところもあります。月々の支払いはわずか数百円程度だとしても、30年や35年などの長期間の支払いでは、まとまった金額になる団信費用が免除されることになります。
住宅ローン金利が低い水準で推移していますが、団信の費用負担や保障範囲などは利用する住宅ローンによって差が出てきています。住宅ローンを借りる際や借り換えを行う際は、団信の保障内容まで細かく比較することが肝要です。